第33章

水無瀬柚季が目を覚ますと、視界は漆黒の闇に閉ざされていた。ただ、耳元で波の音が響いている。

目の前の目隠しが、乱暴に剥ぎ取られた。

水無瀬柚季は、目の前に立つ人物の顔を見て息を呑んだ。

「如月マネージャー……」

彼はスーツを着ていたが、それは酷く皺だらけで、かつての洗練された輝きは見る影もなかった。

「俺の顔、まだ覚えていたか」

如月は彼女の頬を軽く叩いた。

「よくも俺をこんな目に遭わせてくれたな」

水無瀬柚季は恐怖を押し殺し、尋ねた。

「どうするつもりですか?」

如月が笑った。

暗闇の中で浮かぶその笑みは、異様なほど不気味だった。

「どうする、だと?...

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