第38章

「私……」

水無瀬柚季は言葉に詰まった。実のところ、買ってしまった今、彼女自身も後悔していたのだ。

鷺沢雪紘が不眠症だとしても、彼女が心配するような義理はない。

それどころか、彼女こそが、彼の不眠の元凶である可能性すらあるのだから。

「わかった、わかった。言いたくないなら無理に言わなくていいわ」

雨宮澪は、親友の困ったような顔を見ていられず、助け舟を出した。

「柚季……」

「別に問い詰めたいわけじゃないの。ただ、心配なのよ。あなたがまた深みにハマってしまうんじゃないかって。鷺沢雪紘のそばに戻ってから、あなたはちっとも幸せそうじゃない。病気になったり、怪我をしたり……あの...

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