第44章

「柚季、足を挫いちゃった……迎えに来てくれない?」

雨宮澪から、悲痛なSOSの電話が入った。

親友の一大事とあっては、水無瀬柚季に迷う暇などない。彼女は二つ返事で了承すると、すぐにタクシーを拾って指定された場所へと急いだ。

今の彼女にとってタクシー代は痛い出費だが、そんなことを気にしている場合ではなかった。

大慌てで会員制クラブの個室へ駆けつけ、勢いよくドアを開ける。

その瞬間――。

パンッ! とクラッカーが鳴り、色とりどりの紙吹雪と風船が視界を埋め尽くした。

「お誕生日おめでとう!」

呆気にとられる柚季を、雨宮澪と光ちゃんが左右から抱え込み、有無を言わさずソフ...

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