第46章

「ありがとう」

水無瀬柚季は礼を言った。

鴉城蒼が彼女を支え、ベンチに座らせる。

「どうしてそんなに上の空なんだ。歩く時は気をつけないと」

彼は不意にしゃがみ込んだ。

柚季は反射的に足を引っ込めようとしたが、足首を掴まれた。

「動くな」

柚季は足を挫いていたのだ。

華奢な足首は、見るからに赤く腫れ上がっている。

庭園の入り口を、鷺沢雪紘が通りかかった。彼はその光景を静かに見つめていた。

鴉城蒼が眉を寄せる。

「待っていてくれ。薬膏を持ってくる」

彼が立ち上がると同時に、鷺沢雪紘はその場を立ち去った。

水無瀬柚季がベンチで待っていると、不意に男女の...

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