第49章

結局のところ、水無瀬柚季は鷺沢雪紘と共に飛行機に乗ることになった。

桜宮歌穂が二人で行くようにと強く主張し、鷺沢雪紘が折れたのだ。

雪紘の前では、柚季に拒否権などない。

彼が行くと言えば行く。

彼が来るなと言えば、ついていくことは許されない。

機上の人となった柚季は、窓の外に次々と現れる雲の塊を眺めていた。まるで綿菓子のようだ。

今日は日差しが良い。

雲間から差し込む光が、景色に朧げな美しさを添えている。

柚季はその光景に見入っていた。

隣に座る男の存在を忘れるほどに。

目を閉じて休息を取っていた鷺沢雪紘が、ゆっくりと瞼を開いた。その幽玄な瞳が、柚季の...

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