第51章

冷たい刃の感触が首筋に走った刹那、鷺沢雪紘は口を開いた。

「殺す前に、誰の差し金か教えるのが筋ってもんじゃないか?」

殺し屋の手が止まる。切っ先を喉元で寸止めし、男は嘲るように鼻を鳴らした。

「鷺沢社長ともあろうお方が、冥土の土産話をご所望か」

雪紘は男の背後へと視線を逸らせ、悟られぬようすぐに戻した。

「どうせ死ぬなら、誰の手にかかって死ぬかくらい知っておきたい」

「当然、俺の手にかかって死ぬんだよ」

「お前はただの道具に過ぎないだろう」

図星を突かれたのか、殺し屋は激昂した。

「誰の命令かなんて関係ねえ! どのみちお前は俺が殺す。それも、とびきり無惨にな!」

「...

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