第52章

「出血多量です。今朝方起きた大型玉突き事故の影響で、血液バンクの在庫が底をついていて……どなたか、血液型がAB型の方はいらっしゃいませんか!」

看護師が切迫した声を上げた。

木下矢は、反射的に隣にいる鷺沢雪紘を見た。

鷺沢雪紘は、即座に口を開いた。

「俺だ」

男はパイプ椅子に腰を下ろし、自身の体から鮮血が吸い出されていく様をじっと見つめていた。

採血を終えると、彼は看護師に尋ねた。

「彼女は……助かるのか?」

「なんとも言えません。現在も蘇生処置が続いています。あまりに出血量が多すぎて、一度ショック状態にも陥りましたので……。ですがご安心ください、我々も全力を尽くし...

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