第65章

「光ちゃんを連れ去ったのは、あなたね?」

水無瀬柚季の声は冷え切っていた。

「私がここにいるのに、どうやって連れ去るっていうの?」

「あなたはここにいても、手先を使うことくらいできるでしょう」

「言いがかりはやめてよ、水無瀬柚季」

そう口では言うものの、千早玲奈の態度には怒りの色が全く見えない。

その点が、あまりにも不自然だった。

水無瀬柚季はこれ以上彼女と問答している暇などなかった。すぐに陸川明希を探し出し、二人で監視カメラの映像を確認した。

画面には、マスクをした人物が光ちゃんを連れ去る姿が映っていた。

体型からして、女のようだ。

だが、千早玲奈ではない...

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