第7章

「足りないならまだあるぞ」

鷺沢雪紘はさらに二〇万円を取り出し、今度は直接、水無瀬柚季の足の上に投げつけた。

それは、あまりにも露骨な侮辱だった。

白樺信は我慢の限界だった。

「金があるからといって、人を好き勝手に侮辱していいと思っているのか! 人をはねたなら謝罪すべきだ」

「謝罪だけでいいのか? 賠償はいらないのか?」

「当然賠償も必要だ。彼女は怪我をしているし、重傷なんだぞ」

鷺沢雪紘は鼻で笑った。

「結局は金目当てだろう」

水無瀬柚季は膝の上に散らばった二〇万円を三秒間じっと見つめ、それから丁寧に拾い集めた。顔を上げ、微かに微笑む。

「十分です。鷺沢さん、...

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