第74章

水無瀬柚季は胸がいっぱいになるのを感じながら、光ちゃんを腕の中に抱き寄せた。さきほど布団の中で転げ回っていたせいで乱れてしまった娘の髪を、片手で優しく梳いてやる。

「私の宝物。これからママがお話をしてあげる。いい?」

「うん、いいよ!」

「じゃあ約束ね。ママがどんなお話をしても、『なんで?』って聞き続けないこと。お話が終わったら、いい子で寝るのよ」

光ちゃんは素直に頷いた。

母と娘が布団に潜り込むと、鷺沢雪紘も戻ってきた。

長袖の寝間着に着替えた彼は、風呂上がりの湿った気配を纏っている。彼は無言のまま光ちゃんの反対側に回り、布団をめくって身を横たえた。

水無瀬柚季は夢...

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