第80章

水無瀬柚季は泥のように深く眠っていた。

目を覚ますと、窓の外はすでに明るくなっている。

頭を抱えながら身体を起こすと、ベッドの脇に座っている人影に気づき、心臓が飛び跳ねるほど驚いた。

鷺沢雪紘だ。

「どうしてここに?」

鷺沢雪紘は淡々と言った。

「酔いつぶれていたからな。誰も見ていない間にここで野垂れ死にでもされたら、事故物件になって迷惑だ」

水無瀬柚季は言葉を失った。

「……」

「昨夜のことを覚えているか?」

「思い出せない」

雨宮澪と飲みに行ったことまでは覚えている。そのあと……そのあとは、ぷっつりと記憶が途切れている。

完全に記憶が飛んでいた。

...

ログインして続きを読む