第1章

八百万の神々の声が裁判所に響き、神聖な審判の座の前で、私と姉の魂はなすすべもなく震えた。

「汝らの前世における運命、今一度見せてつかわそう」

光のスクリーンが展開した瞬間、私は悲鳴を上げそうになった――あの重大な、致命的な決断の瞬間が、再び目の前に現れたのだ。

姉は眉をひそめ、その声には侮蔑が滲んでいた。

「貧乏な脚本家?一日中誰も見ないような脚本を書いてる男ですって?会いたくないわ!水原礼音、あんたが代わりに断ってきて。忙しいって伝えて」

そして、喫茶店での三浦享真との衝撃的な出会い……。

姉が言っていた「退屈な貧乏脚本家」とは似ても似つかない、優しくて、親切で、才能に溢れた人。その瞬間、私の心は揺れ動いた――姉を裏切ってしまった。その後に続いたのは、私たちの恋、交通事故、そして死……。

「お姉ちゃん……」

私の魂は震え、計り知れない罪悪感が私を引き裂こうとしていた。

「全部私のせいだ……あなたを裏切ったから……」

姉は、はっと顔を上げた。彼女の魂のエネルギーが激しく揺れ動いている。感情的になっているのは分かったが、その表情は複雑で、私には到底理解できなかった。後悔があるようにも見えたが、それ以上に、今まで見たことのないような激しさがあった。

「あなたのせい?違うわ、礼音、私のせいよ!私の、とんでもなく馬鹿な判断のせい!」

彼女は甲高い声で、鋭く私を遮った。

「でも、苦しんだのはあんたの千万倍、私の方よ!わかる?彼に会えなかった痛みだけじゃなく、あんたが彼と結婚して、十年も幸せに暮らすのを見続けなきゃならなかったのよ!十年も!」

私は呆然と姉を見つめた。なぜ彼女の痛みが、そんなにも……異質なものに聞こえるのか理解できなかった。

そして、姉の次の言葉は、まるで私の魂に氷水を浴びせかけるかのようだった。

「私は、たった一言の見下した発言のせいで、億万長者を逃したのよ!」

「おく……億万長者?」

私は愕然とし、魂が一瞬凍りついたようだった。だが、これは姉が深い後悔に駆られて発した妄言であろうと感じた。

「三浦享真!三浦エンターテインメントの跡取り!映画業界最年少の若き寵児、天才プロデューサーよ!」

姉の声は鋭く上ずり、苦々しい憤りに満ちていたが、奇妙なことに、熱狂的で、ほとんど貪欲とも言えるほどの熱が混じっていた。

「後で知ったのよ!私は毎日、後悔と嫉妬に苛まれてた!あれは私のものだったはずなのに!私の地位!私の富!私の人生!全部、あんたのせいで!」

そう……そういうことだったのか。彼女の痛みの根源は、ここにあったのか。圧倒的な馬鹿馬鹿しさがこみ上げてきたが、それよりも深く、身を苛むような羞恥心に襲われた。

そうだ。本当の間違いは、私にあったのだ。姉のためにあの「貧乏な脚本家」を追い返すはずだったのに、彼に恋をしてしまった。運命のいたずらで、私は姉の……ラブストーリーを手に入れるチャンスを、奪ってしまったのだ。

八百万の神々がゆっくりと手を掲げると、その掌に光が集まった。

「この争いは無意味だ。あなたたちに最後の機会を与えよう。完全な記憶を保持したまま転生し、あの運命の日に戻るのだ。だが、覚えておけ――これが最後の機会だ。真の道を選択するがよい」

スマホからけたたましく鳴り響くアラームが、窒息しそうな悪夢から私を現実へと引き戻した。

ベッドから飛び起きると、胸は激しく波打ち、全身が冷や汗でぐっしょり濡れていた。見慣れたひび割れた天井、隅っこにある頑固な雨漏りのシミ、隣の部屋から聞こえる赤ん坊の泣き声――ここは、私たちが二〇二三年に借りていた小さなアパートだ!

震える手で、テーブルからスマホを掴む。画面が光り、日付が表示された――二〇二三年三月十五日、午前六時三十分。

明日の午後が、私が三浦享真と初めて会う日だ!

本当に、生まれ変わったんだ!

魂の審判を受けた時の震えはまだ完全には収まらず、前世の罪悪感が、死の瞬間よりも激しく私にのしかかり、押し潰そうとしてくる。

明日の午後に何が起こるか、覚えている。姉の水原真衣が『夢見る白樺』からデートの誘いを受け、そして、あの焦れたような口調で私に言うのだ。

「礼音、あんたが代わりにあの貧乏な脚本家を追い返してきて。忙しいって伝えて」と。

前世の私は、それに同意した。子供の頃からいつも私を守ってくれていた水原真衣だから、これはただの小さなお願い、簡単な断りの用事だと思ったのだ。

でも、喫茶店で三浦享真を見た瞬間、すべてが変わった。彼は優しくて、親切で、才能に溢れていた――水原真衣が言っていた「退屈な貧乏脚本家」とは似ても似つかない人だった。そして私は……その瞬間、恥ずべきことに心がときめいてしまったのだ。

その後、私たちは恋に落ち、結婚した。そして水原真衣は……私を一生、憎んだ。

「全部、私のせいだ」

私は拳を握りしめた。爪が手のひらに深く食い込み、その微かな痛みが、これが現実なのだと教えてくれる。

今世では、償わなければならない。すべてを彼女に返し、彼女のものであるはずだった「機会」を、そっくりそのまま、彼女の手に返してあげるんだ。

私は機械的に起き上がり、キッチンへ向かった。これが私たちの日常だった――私が朝食を作り、水原真衣が家計を支えるために稼ぐ。生まれ変わっても、いくつかの習慣は深く体に染み付いている。

卵とパンを取り出す。コンロの上でフライパンが温まる頃、隣の部屋からいつもとは違う物音が聞こえてきた――怠惰な寝返りの音ではなく、せわしなく、興奮したような衣擦れの音。焦りと期待が入り混じったような響きだ。

水原真衣が起きている?しかも……妙に意識がはっきりしていて、興奮しているような……?

やがて足音が聞こえてきた――いつものだらだらとした引きずるような音ではなく、軽やかで、素早く、明確な目的を持った足取り。

「礼音!」

水原真衣はキッチンに飛び込んできた。その顔は、私が今まで見たこともないような眩い光、野心と欲望に満ちた輝きで満ち溢れていた。

「予定変更よ!」

彼女は早口で、有無を言わせぬ口調で言った。

「明日、私が直接『夢見る白樺』に会いに行くわ!」

私の手の中でフライ返しが微かに震えた。『夢見る白樺』――それは、出会い系サイトでの三浦享真のユーザーネーム。水原真衣がその名前を覚えているということは、彼女もまた記憶を持ったまま生まれ変わったのだ!

「そうだね……」

私はかろうじて声を平静に保とうとしながら、そっと答えた。心臓は目に見えない手で鷲掴みにされているようだった。

「前世の私がどれだけ馬鹿だったかわかる?!」

姉は興奮した様子でテーブルを叩きつけた。皿がガチャガチャと音を立て、私は驚きのあまりフライパンを落としそうになった。彼女の目には自己嫌悪の色はなく、ただただ、棚ぼたを逃したことへの、生々しく、胸が張り裂けそうな後悔だけが浮かんでいた。

「三浦享真よ!三浦エンターテインメントの跡取り!あの男の『貧乏な脚本家』っていう謙遜した演技にまんまと騙されたのよ!あんたなんかに、あんな掘り出し物をかっさらわせて!」

姉は何事か口にしていたが、彼女が三浦享真と面会する理由に心を奪われ、その言葉に耳を傾ける余裕がなかった。彼女は私の手首を掴んだ。その力は痛いほど強い。

「今世では、もう二度と逃さない!彼を捕まえれば、この貧乏生活ともおさらばよ!」

胸が鋭く痛んだ。水原真衣の言う通りだ。あの機会は、彼女のものだったはずなのだ。私が……。

「確かに、彼に会いに行くべきだったのは、お姉ちゃんだった……」

私の声は震えていた。私は俯き、彼女の目を見ることができなかった。

「その通りよ!」

水原真衣の目に、勝利を確信したような表情が閃いた。それは私を少し怖がらせるほどの鋭さだった。

「三浦享真も、彼のお金も、絶対に私に惚れるわ!だって、三ヶ月もネットでロマンスを繰り広げたのは私なんだから!それに今なら彼の正体もわかってる。どうすれば彼の心を、ついでに財布も掴めるかしら!」

その言葉は、まるで氷のように冷たい短剣となって、私の心をまっすぐに貫いた。

そうだ。ネットでロマンスを繰り広げたのは、水原真衣だった。前世の私は、ただの恥ずべき裏切り者。でも今世の姉が求めているのは、私が手に入れた愛ではなく、その愛の背後にある、きらびやかなレッテルだけのように思えた。

私は視線を落とし、フライパンでじゅうじゅうと音を立てる卵を見つめながら、こみ上げてくる涙が落ちないように必死でこらえた。この涙は、今世では始まることさえなく死んでしまった愛のためであり、そして目の前でまったくの他人になってしまったこの姉のためだった。

「真衣」

私は声を落ち着かせようと努め、最後の確認をしたかった。

「子供の頃、私をすごく守ってくれたのに、前世の私は……」

「そんなくだらない話はやめて!」

彼女は焦れたように手を振り、私の言葉を遮った。その口調は鋭く、実利的になっていた。

「終わったことはどうでもいいの!大事なのは今よ!今回は、あんたがちゃんと私を手伝って、自分の過ちを償うのよ!」

彼女は私を見た。その目には、隠すことのない優越感と命令が満ちていた。

「礼音、あんたは私を手伝うのよ!今回は、絶対に私を裏切っちゃだめ!最高の服を選んで、完璧なメイクをして、一目で億万長者を征服できるようにするの!」

私の手は微かに震えた。

あなたが完璧になるのを手伝って、前世の愛した人に会いに行かせるの?

でも、私は水原真衣にあまりにも大きな借りがある。子供の頃の優しさは、決して返すことのできないものだ。おそらく、これが私にできる唯一の償いなのだろう。

「真衣、覚えてる……?前世で、私たちが最後にどうやって死んだか」

私はほとんど聞き取れないような声で、そっと尋ねた。富以外にも、人生にはもっと大切なものがあるかもしれないと、彼女に思い出してほしかったのだ。

水原真衣の表情が一瞬凍りついた。彼女の目に影がよぎるのが見えたが、それはすぐに、この二度目のチャンスに対する、より強く、より熱狂的な思いに覆い隠された。

「そんなの全部過去のことよ!」

彼女は力強く手を振り、その声は冷たく、断固としたものに変わった。

「今世では、すべてが変わるの!私は三浦享真の妻になる。映画業界で最も裕福なプロデューサーの妻に!それが私に相応しい姿よ!」

彼女は私を見た。その視線はナイフのように鋭い。

「そしてあんたは、今回は、二度と私を裏切ることは許されない!私のものを盗むことは許されない!」

私は深く息を吸った。彼女の言う通りだ。先に裏切ったのは私なのだ。彼女の動機を深読みすべきではない。私はただ、自分の借りを返せばいい。

「わかったわ、真衣」

私は顔を上げ、涙を無理やり押し戻し、従順で、それでいて固い響きの声を作った。

「準備を手伝うわ。私は自分の絵に集中して、自分のことに専念する。もう……裏切ったりしない」

「それでいいのよ!」

水原真衣は満足げに私の肩を叩いた。その力は、私がよろめきそうになるほど強かった。

「覚えておきなさい、今回は私が、私に属するすべてを取り戻すんだから!」

窓の外の陽光が小さなアパートに差し込み、興奮と欲望に輝く水原真衣の顔を照らし出し、そして同時に、静かに沈黙へと消えていく私の心の世界をも照らし出していた。

わかっていた。この瞬間から、私は前世の最も大切な記憶を、自らの手で葬り去らなければならないのだと。彼女が、かつて私が深く愛した男性のもとへ歩いていくのを、見守らなければならないのだと。

だが、これは私が受けるべき罰なのだ。

結局のところ、私は裏切り者なのだから。

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