第4章

その夜は、ほとんど一睡もできなかった。

頭の中で、あのチャットのスクリーンショットが何度も再生される――薄暗い劇場の光に照らされた真衣の横顔、スマホをいじる姿、あの馬鹿げた一言、そして戻ってきてから平然と吐いた嘘――「雰囲気はすごく良かった」。

午前三時になっても、私は製図台の上で機械的に線を引いていた。胸の中で荒れ狂う激しい痛みを麻痺させようとして。だが、『夢見る者たち』のストーリーは行き詰まっていた。伊藤瑠唯の瞳は、まるで私自身のように、混乱と痛みに満ち、進むべき道を見失っていた。

まさにその時、また隣の部屋から物音が聞こえてきた。

寝言ではない。すっかり聞き慣れてしま...

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