第120話

「リースが救急車を呼んだの」とイヴァインが言った。「お父さんには結婚式を延期しなきゃいけないって伝えて、招待客をなだめてくれるように頼んでた。あの時のクライヴの顔、ミラにも見せてあげたかったわ。リースを八つ裂きにしそうな顔で、『一体どういうことだ!』とか『招待客はどう思うんだ!』とか、ずっと叫んでた」

「うん、いかにも私が知ってるクライヴおじさんらしいわ」と私は呟いた。

「でも、この件に関しては私もリースに賛成よ。だって、キャサリンは意識がほとんどないみたいだったし、顔に浮かんだ汗なんて部屋の向こう側からでも見えたんだから」

私は頷いた。「続けて」

「リースが怒鳴って、クライヴが怒鳴り返して...

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