第167話

エドゥアールはぜえぜえと息を切らし、上半身を起こした。

磨き上げられた黒い杖を頼りに体を持ち上げると、その手は震えていた。

「どの口がそんなことを言うんだ?」と彼は吠えた。「お前の家、お前の食事だと? エル・ジー・エイチもこの屋敷も、俺の血と汗の結晶だぞ」

アシュトンは短く鼻で笑った。

まるで公園でわめき散らす落ちぶれた大道芸人でも見るかのように、エドゥアールを見下ろしている。

「随分と想像力が豊かだな。俺がいなければ、エル・ジー・エイチは二年前に潰れていた。この場所も差し押さえられていたはずだ。あんたは一文無しで路上に放り出されていただろう。あんたが今、暖房の効いた部屋でまともな肝臓を維持し...

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