第183話

前の出場者が壇上を降りると、会場にはまばらな拍手が鳴り響いた。

私は演台の中央へと歩みを進めた。

背後のスクリーンが一度ブーンと低い音を立て、まばゆい光を放って起動した。

視界の端が白い光で焼かれるようだ。

手のひらは乾いている。そうなるように万全を期したのだ。

毎晩四時間の睡眠で何週間も準備を重ねてきたのは、今ここで怯むためではない。

私は片手にマイク、もう片方の手にレーザーポインターを強く握りしめた。

そして、口を開く。

「審査員の皆様、ご来場の皆様、こんにちは。ミラベル・ヴァンスです」

彼らが顔を上げてこちらを見るよう、十分に間を置く。

「テーマは『イブニング・ガラ...

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