第187話

笑いが止まらなかった。口角が上がりすぎているのが自分でもわかる。「彼に言うの。ちゃんと付き合いたいって。私の……気持ちを」

彼女は勢いよく立ち上がった。そのせいでスツールが床を滑る音がした。「ついにやるのね! いいじゃない。告白して、ケーキを出して、ベッドに連れ込んで――はい、完璧な夜の出来上がり」

「声が大きい」と私は彼女の袖を引っ張り、声を潜めた。「すぐそこに子供がいるんだから」

彼女はケラケラ笑ってスツールに座り直した。「ごめんごめん。ただ、あんたのことだから嬉しくって。ケーキは私に任せて」

「簡単なものでいいから」と言って、私は一度言葉を切った。「あ、そうだ。あなたの彼氏、ケイド・...

ログインして続きを読む