第199話

その男は長身で痩せており、汗をびっしょりとかいていた。

首にはカメラのストラップがねじれるように絡みついている。

レストランのスタッフの一人が言った。「階段の吹き抜けでうずくまっているところを捕まえました。携帯を手に、写真を投稿したのと同じアカウントにログインした状態でした」

ローワンが一歩前に出た。「前回のあれもあなた?誰に雇われているの?」

男は部屋の中をちらりと見回した。

六対ほどの目が、じっとこちらを見返している。

男の唇が音もなく開閉し、やがてか細い声が漏れた。「誰も……誰も俺を送り込んじゃいない。ただクリックが欲しかっただけだ。それだけなんだ。本当だ」

「嘘つきめ」アシュトンが男に...

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