第283話

その夜、風は一層冷たくなっていた。私は長袖のシャツをきつく引き寄せ、小屋の陰に身を寄せた。

とはいえ、すぐ後ろではアシュトンが眠っていたから、むやみに動くことはためらわれた。

私たちは夜を半分ずつ、交代で眠ることにしていたのだ。意識を保とうとしたが、まぶたは重くなるばかりだった。

不意に、腕に冷たい感触があった。はっとして目を開けると、シャツの袖に数滴、水滴が落ちていた。

私が反応する間もなく、さらに多くの雨がぱらぱらと降りかかってくる。

天気は一瞬で変わったのだ。

私は飛び起きて小屋に駆け込んだ。それでも、土砂降りを完全に避けることはできなかった。胸も背中も足もすぐに雨粒でまだらになり、ずぶ...

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