第304話

「一体、何が起こってるんだ?」

部屋に無断でなだれ込んできた群衆の中から、困惑したささやき声が波のように広がった。

「どうして……なに……いや、そんな……ありえない」セレンナは何度も瞬きをした。そうすれば目の前の光景が消えてくれるとでもいうように。「彼が……あなたが……あなたとリースが……二人は一緒にここへ来た。あなたが彼にメッセージを送ったんでしょう。あなたが望んだのよ……」

「私が彼にメッセージを送ったって、どうして知ってるの?」私は言った。「私自身、そんなこと知らなかったのに。リースがあなたに言ったの?」

「言ってない!」リースは即座に否定した。

「じゃあ、どうして知ってた...

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