第305話

「私……いえ、やめて、お願いだから」

セレナと違って、ジュヌヴィエーヴはアシュトンがはったりを言っているわけではないとわかるくらいには、彼のことをよく知っていた。彼が口先だけの脅しをすることは決してない。

「わ、わかったわ、私がやったのよ、それでいいでしょ? 私が……」彼女は恨めしげに私を一瞥した。「ミラベルがバスルームにいる隙にスイートルームに忍び込んで、リースにメッセージを送ったの」

セレナは共犯者があまりにあっさりと白状したことに呆然とし、あんぐりと口を開けて彼女を見つめた。「証拠なんてないじゃない!」

「廊下にはカメラがあるわ」私は親切心から付け加えた。「映像を確認すれば、誰がここに入...

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