第350話

私はリースに携帯を渡した。

彼はそれを受け取って住所を告げると、こう付け加えた。「気をつけろ。奴らは俺たちを血眼になって探してる。この電話はリスクだ。お前たちが先に見つけてくれることを祈る」

そして携帯を私に返してきた。

「アシュトン……」言いたいことは山ほどあったのに、言葉が喉に詰まって出てこない。

「ミラ、怖がらなくていい。今すぐそっちに向かっているから」

「私は無事よ。心配しないで」

繋がりを断ちたくない気持ちを抑え、私は電話を切った。リースは私を部屋まで連れ戻してから、もう一度外へ向かった。

戻ってきた彼は、グラスに水を注いでくれた。「座った方がいい。アシュトンがここに着くまで、少なく...

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