第373話

翌日、イヴェインがスタジオまで訪ねてきて、私と昼食を共にした。

あれこれとおしゃべりした後、彼女は頃合いを見計らって言った。「ところでミラ、ずっと言おうと思ってたことがあるの」

「何?」私は顔を上げた。

「ちょっとどこかへ旅行に行こうと思ってるんだけど、気分転換に。一緒に行かない?」

「旅行?」私はためらった。

正直なところ、もうずっとどこへも行っていなかった。でも、本当に行けるだろうか?

今日の昼間だって、ほんの少しスタジオから出ただけで、アシュトンに長々と説教されて連れ戻されたばかりだ。旅行に行くなんてことになったら、どこへ行くにもボディガードがついてくるに違いない。その光景を想像しただけ...

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