第375話

アシュトンはくすりと笑い、私を横目で見た。

その視線にどきりとしていると、やがて彼がからかうような声で口を開いた。「俺に何かすべきことを思い出させようとしてるんじゃないだろうな?」

私は慌てて彼の胸を押した。「もう寝るから。あなたは好きにしていいわよ」

「やけに意味深に聞こえるな」アシュトンはそう言って、繋いでいた私の手を持ち上げると、その甲に唇を寄せた。

その感触の温かさに我を忘れていると、彼が視線を落として微笑んだ。「その目つきから判断するに、間違いなく何かをほのめかしてる」

「どんな目つきよ?」

彼がぐっと顔を寄せ、お互いの額が触れ合うほどの距離になると、にやりと笑って囁いた。「目で俺の...

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