第380話

部屋中に、大きな産声が響き渡った。

お腹の力がふっと抜けるのを感じる。助産師さんが足を持って逆さ吊りにしている小さな赤ちゃんを見て、私の目には涙が溢れた。

最初の産声の後、看護師さんが赤ちゃんを平らに寝かせ、体を綺麗にするために連れて行った。

何かを言おうと口を開いたが、次の痛みの波が私を襲う。

もう一人いることを、すっかり忘れかけていた。

二人目の赤ちゃんは一人目よりもさらに早く、瞬く間に生まれてきた。その子も、体を綺麗にするために連れて行かれた。

私は完全に疲れ果て、助産師さんが処置をする間、横たわったままぐったりしていた。

でも、何かがおかしい。何かが足りないような気がする。

わずかに身...

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