第55話

フィンは顔をしかめた。「頼むから思い出させないでくれ。ちゃんとした仕事もある大の男が、金曜の夜にやるのが、残り物のラザニアを何かと口うるさい猫とシェアすることだなんて」。彼はまた私ににやりと笑いかけた。「君の方がまだマシな相手だよ。それに、そこまで批判的じゃないといいんだけど」

私は笑った。「わかったわ。ありがとう。助かる」

私たちはエレベーターに乗り込んだ。

ここで見知った顔に会えたのは、まるで宇宙からのささやかなご褒美みたいに感じられた。

会議室に入ると、私は彼にスマホを渡した。「誰かが私のことで嘘を広めてるの。訴えることってできる?」

フィンはスクリーンショットをスクロールしながら見てい...

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