第56話

イヴェインはキャプションも一切つけずに、いくつものグループチャットに写真をばら撒いた。

すると彼女の仲間たちは、まるで打ち合わせ済みであったかのように、そのパフォーマンスを開始した。

遠慮会釈なく、大声で。

「あれってキャサリン・ヴァンス?」

「そうよ。幸運な女よね。昔はリース・グレンジャーを手玉に取って彼を捨て、何年も海外に消えてたのに、また何事もなかったかのように彼のベッドに潜り込んでるんだから」

「マジでそれ。噂じゃ、今じゃ彼が彼女を秘書として雇うためにお金払ってるって話よ。ていうか、彼女そんな分野の勉強なんてしてないでしょ」

「やめてよもう。私が聞いたのは、インテリアデザインか何かを専...

ログインして続きを読む