第60話

泣き言を並べ立てるような真似はしなかった。

遅れたことを謝罪すると、すぐさまプレゼンを始めた。

私はシャツの裾を整え、プロジェクターが温まるのを待った。その貴重な数秒間で呼吸を整え、エスプレッソ漬けのハチドリみたいに猛烈な速さで打つ心臓を落ち着かせようと努める。

彼らが見ているのはまだスケッチではなく、削り出す前のコンセプトそのものだ。

私は自分のコレクションを「ブルームステート」と名付けた。

どの作品も、花が経験する儚い瞬間をベースにしている。

まずは蕾から始めた。ほとんど目に見えないほどの螺旋を描く、小さなスタッドイヤリング。

次に、オープンハートのネックレス。満開の花を様式化したデザイン...

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