第77話

何の前触れも、警告も、躊躇いもなく、アシュトンの唇が私のそれに叩きつけられた。

熱く、力強く、そしてどこまでも容赦なく――まるで私の唇も、呼吸も、魂さえも、すべて彼の所有物だと言わんばかりのキスだった。

息を呑み、身を引こうとしたけれど、彼はすでにそこにいて、すでに奪っていた。

彼の舌は、私の唇の抵抗をこじ開けて侵入してくる。まるでそれが当然の権利であるかのように。そして、そうだったのかもしれない。だって、私の体はちっとも抵抗していなかったのだから。

反射的に両手が上がり、その手のひらが彼の胸に押し当てられる。けれど、彼を突き放す代わりに、私の指はシャツの生地を固く握りしめていた。まるでそれが...

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