第18章

樋口おじさんは生活用品を持って早坂家の大邸宅に戻った。なんと早坂晋也もこの団地に住んでいたのだ。家に着くなり、樋口おじさんは坊ちゃんに佐藤安奈の家で起きた出来事を話し始めた。

リビングのソファで、早坂晋也は片手で頭を支えながら、ゆっくりと目を開いた。その瞬間、まるで宝珠の覆いが取り除かれたかのように、輝きを放った。

「なかなか勇敢だな」早坂晋也は淡々と言った。

樋口おじさんはソファに座る早坂晋也を見つめ、しばらく考えてから決意を固めて尋ねた。

「警察署に一声かけておいたほうがよろしいのではないでしょうか。少し気を配ってもらって、若い娘の件を適当に済ませないように」

早坂晋也は顔を上...

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