第24章

佐藤晴美の言葉を聞いて、佐藤安奈はさらに感動し、先ほど拭いた涙がまた目に溢れてきた。

この数年間、彼女は辛い生活を送ってきた。以前おばあちゃんの元にいた時は、家族の末っ子として、生活は質素だったが誰からも虐げられることはなかった。

佐藤家に戻ってからは、表面的には裕福な生活だったが、実際は冷遇され、佐藤レナだけが可愛がられていた。

佐藤安奈は、叔父たちを心配させないため、そして従姉の自殺の真相を突き止めるため、佐藤晴美の提案を受け入れた。

佐藤晴美は安奈が承諾したことで少し安心し、腕時計を見て驚いた。もう十二時半で、家に戻って昼食を作らなければならない。

「もう遅いわ、お姑さんの昼...

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