第25章

「晴美姉、こんなに長く待たせてごめんなさい!」と駆け寄って謝った。

佐藤晴美は笑顔で「大丈夫よ、私も今来たところだから」と答えた。

実は佐藤晴美は安奈の下校時間も分からず、連絡先も持っていなかったため、午後四時から校門で待っていたのだった。

ヘルメットを手渡しながら、佐藤晴美は「おばあちゃんの家に荷物を取りに行きましょう。父さんたちは部屋を整理して、新しいものに替えてくれたの。きっと気に入ると思うわ」と言った。

佐藤安奈は感動で胸が一杯になった。三叔父は自分が快適に過ごせるよう、わざわざ新しいものを用意してくれたのだ。

実の両親と比べると、三叔父一家の方が遥かに優しく接してくれる。...

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