路地猫

エマーソン視点

もう昼下がりだ。

ため息をつき、俺はベッドから起き上がる。もうぐずぐずしてはいられない。そんなことをすれば、やるべきことができなくなるかもしれない。

胸が沈む思いで、シャワーを浴びて服を着る。手近にあったショートパンツに足を通し、手ぐしで髪をかき上げる。今日、髪にするのはそれだけだろう。パーカーの生地が、前回着た時よりもずっと重く感じられる。着替えようかとも考えた。

だが、パーカーのせいじゃねえことくらい、分かってる。

俺がやろうとしていることが、あいつをひどく傷つけるだろうことは分かっている。でも、やらなきゃならない。問題が大きくなって、あいつを失う前に、俺が止めな...

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