手がかり

アダム視点

恐怖と絶望をあらわにして、俺の声は震えていた。その声を聞いた電話の向こうの警官は、質問をやめてすぐに行動を開始した。

数分も経たないうちに電話がかかってきた。パトカーに乗っていて、現在そちらに向かっているとのことだった。背景にサイレンの音が聞こえ、俺は礼を言った。

俺の隣では、スマホが黒い画面をこちらに向けたまま、何の役にも立たずに置かれている。だが、それはすぐに役立つことになった。けたたましく鳴り始めたスマホを、俺はひったくって耳に当てた。「もしもし?」

「電話は見つかりました」その声の主は、俺のお気に入りの人物リストに急浮上した。「おっしゃっていた通り、路地裏にありまし...

ログインして続きを読む