エピローグ

エマーソン視点

「ハニー、ただいま」

寮の部屋に、温かくてからかうような声が響く。先週の冗談がきっかけで、それがお決まりになっていた。彼の声を聞くたび、私のもとに帰ってきてくれるたびに、胸の奥がキュンとなる。

私はシンクの前に立ち、泡だらけの水に手首まで浸している。思わず笑みがこぼれる。だって、こんな関係が――私たちがこうなってから三ヶ月も経つのに、いまだに信じられないのだ。

濡れた手をディッシュタオルで拭き、恋人を迎えに出る。

私の彼氏。アダムが、私の彼氏なんだ。

その恋人は戸口のそばに立っていて、練習でかいた汗でぐっしょり濡れたTシャツが体に張り付いている。髪はめち...

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