新規開発

エマソン視点

頭がふらつかないようにと念じながら、私は病院に足を踏み入れた。睡眠のおかげで少しはましになったけれど、まだここの看護師さんにでも診てもらった方がいいような気がする。

エレベーターに乗り、冷たい金属の壁に身を預ける。母の病室に入ると、自然と笑みが浮かんでくる。あと数週間もすれば、私たちの関係はもっとずっと強いものになるだろう――

――なのに、母はそこにいなかった。

私は凍りつき、指がこわばる。鮮やかなユリと、花屋の女性がハイドランジアという名前だと教えてくれた花々。大切に抱えていた色鮮やかな花束を、私は落としてしまった。それは磨き上げられた病院の床に散らばる。綺麗す...

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