ライトバルブ

アダム視点

あと授業が一つ終われば、家に帰れる。ベンチに腰を下ろしながら、俺は自分に言い聞かせた。あと一つだ。

スマホが震え、メッセージの受信を告げる。ポケットからそれを取り出す手が震えていた。手のひらで日差しを遮り、画面を覗き込む。

登録していない番号からだ。俺は画面を消してポケットに戻す。だが、スマホは軽く握ったままだ。

何か、やらなければいけないことがあったはずだ。何か大事なことを、俺は忘れている。思い出すのに少し間があり、思い出した瞬間、俺は顔をしかめた。

キャシーからのメッセージ。クソッ。昨日から返信してない。

俺はメッセージを開く。最初のメッセージは、彼女が招待されたパ...

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