ブレイキング・ポイント

アダム視点

俺はただ頷く。

他に何ができる? 何て言えばいいんだ?

コーチが言いたいのは、才能だけじゃどうにもならないから、自分を甘やかすなということだ。俺にその才能が足りないのか、それとも全くないのかは知らないが、その言葉ははっきりと聞こえた。

別に、月面に初めて降り立った男みたいに自分が特別だなんて思っちゃいなかったが、今の言葉はクソほど胸に突き刺さった。

コーチが踵を返して大股で去っていくと、俺は彼が当てたスポットライトの中に置き去りにされた。ジム中の視線が突き刺さってくるようで、自分の体が縮こまっていくのを感じる。

ああ、くそ、家に帰るべきだった。

人生に何度も何度も金玉...

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