待っている

アダム視点

いつも通りの時間に目が覚める。エマーソンに言わせれば「早すぎ」る時間。一時間以上経っても、まだ眠気で声がしゃがれている。

部屋はまだ陽光に満たされてはいない。ただカーテンの向こうで、明るくなりつつある気配を告げているだけだ。だからまだ、そこまで気になっていないのかもしれない。

気づかないうちに、手を口元へ運び、人差し指の爪に歯を立てていた。噛み砕く寸前で、我に返ってやめる。

オーケー……やっぱり、少しは気になっているみたいだ。

今日は葬式の日だ。なのにエマーソンはまだ返信をくれない。どうして返事をくれないんだ?

さっき確認したばかりなのに、またスマホをチェックする。今朝、...

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