第122章

口ではそう言いつつも、渕上純は事態がそう単純だとは思えなかった。まるで神原文清が画策したことのように感じられる。でなければ、これほど都合よく話が進むはずがない。

もっとも、これはあくまで彼女の推測に過ぎないが。

山頂への道のりは険しく、専用のロープウェイを利用するのが一般的だ。もちろん、景色を楽しみながら徒歩で登ることもできる。

だが、皆の目的は流星群だ。体力を温存するためにも、やはりロープウェイを選ぶことになる。

ゴンドラの定員は二名。本来なら神原文清が渕上純を誘って同乗しようとしていたが、渕上純は迷わず小林海を選び、さっさと乗り込んでしまった。

小林海は苦笑しながら、神原文清に...

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