第79章

全員が警察署へ連行されたが、そこで小林海が弁護士バッジを提示し、警察と個別に事情を話し合った。その結果、責任を負うのは出田竜也一人ということになり、彼は一時的に拘留されることとなった。

一方、森田美咲は治療のため病院へ搬送された。

署を出る際、渕上純は眉をひそめて尋ねた。

「もし森田美咲の怪我が重かったら、出田竜也はどうなるんですか?」

「拘留と罰金だな」

「そんなに軽いんですか?」

渕上純は意外そうに声を上げた。小林海は頷き、瞳を巡らせる。

「見たところ森田美咲の怪我は大したことない。せいぜい軽傷だろう」

法律には詳しくない渕上純だが、小林海のその言葉を聞いていくらか安堵し...

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