第52章

美奈おばさんは大晦日に私たちが旅行で正月を過ごす決断を知った時、その場で泣き出した。口を押さえ、とても悲しそうに泣いていた。

お母さんも胸が痛かったのだろう、目を赤くしておばさんと午前中ずっと話し込んでいた。

おばさんは何度も何度も五条孝一の行動について語り、彼に対する失望を口にし、どうして彼がこんな風になってしまったのか理解できないと言った。親の気持ちさえ考えないなんて。さらに、花村雲子は一目見て腹黒いと思ったとも言い、五条孝一が彼女に騙されるのではないかと心配していた。

お母さんに何が言えただろう。ただできる限りの理由を並べて説得し、おばさんの気持ちに寄り添いながら、一緒に涙を流す...

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