第55章

1月15日は小正月であり、私の誕生日でもある。

お父さんは前日にあの前に行ったレストランを予約しておいてくれた。これは私が強く希望したことで、あのお店の料理と中庭の雰囲気が気に入っていたからだ。

自分の二十歳の誕生日を祝うために、私は海市で年越しの時に買ったローズレッドのロングドレスに早めに着替え、アイボリーの長めのコートを羽織った。青子と梓が私の髪を大きなウェーブに巻いて高く結い上げ、丁寧にメイクを施してくれた。

「月ちゃんは世界一の美人よ」青子が大げさに叫んだ。

「本当は清純で爽やかな顔立ちなのに、メイクすると妖気が漂うのよね。ミルキーホワイトの肌にローズレッドなんて天が結んだ組...

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