第9章

 雪の中、おでんを食べに行ったあの夜から、私の体調は一変した。

 中身をごっそりくり抜かれたような虚脱感。骨の髄から冷気が染み出し、布団にくるまっても、決して温まることはなかった。

 それから数日も経たないうちに、病状は坂道を転げ落ちるように悪化した。ベッドから降りることさえ、今の私には叶わぬ夢となってしまった。

 検査結果に目を通す医師の顔色は、病人である私よりも悪かった。彼は即座の手術を勧めてきた。そうすれば、あと数ヶ月は時間を稼げるかもしれない、と。

 私は首を横に振った。痛いのも、苦しいのも、もうたくさんだ。どうせ春はすぐそこまで来ている。あと少しだけ持ち堪えて、灯里と一緒に...

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