第4章
渡井傳治は女子寮の下まで全力で駆けつけた。心臓が早鐘を打ち、頭の中は鈴川メメの怯えきった泣き声で埋め尽くされている。だが、目の前の光景に、彼の足は急ブレーキをかけたように止まった――。
鈴川メメはピンクの上着を羽織り、タピオカミルクティーを手にルームメイトと談笑していたのだ。その顔のどこにも、恐怖の色など欠片もない。
渡井傳治は信じられない思いで歩み寄った。
「メメ?」
鈴川メメの笑顔が凍りつき、瞬時に胸を押さえて壁に寄りかかると、声が弱々しくなった。
「傳治さん……来てくれたんだ。だいぶ良くなったの、私が敏感すぎたのかも……」
隣のルームメイトがきょとんとしている。
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