第7章
森田理恵視点
最初に気づいたのは、ビープ音だった。
ドリルのように頭蓋骨を貫いてくる、絶え間ない電子音。目が糊で貼り付けられたように重いが、無理やりこじ開ける。
白い天井。眩しい照明。そして、あの嫌な病院の匂い。
身を起こそうとしたけれど、頭が割れるようにガンガンする。床に打ち付けた場所から鋭い痛みが走り、私は枕に逆戻りした。
無意識に手がお腹にいく。その時、腕から何本ものワイヤーやチューブが伸びているのが見えた。ベッドの横では心電図モニターが点滅しながら音を立てている。
『一体、何が起きたの? どれくらい意識を失ってた?』
廊下に面したガラス窓の向こうに、人影が動...
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