第13章

メッセージが送信された瞬間、高橋桜の心はふと静かになった。

やるべきことはやった。

あとは返事を待つだけでいい。

佐藤和也からの返信はすぐには来なかった。

高橋桜は時間を確認して推測した。彼はきっと今仕事中だろう。会議かもしれないし、接待かもしれない。スマホをマナーモードにしているかもしれない。仕事が終われば、メッセージを見るはずだ。

時間はなかなか過ぎない。彼女は少し眠ることにした。

高橋桜はさっとパジャマに着替え、カーテンを引いて部屋を暗くし、すばやくベッドに潜り込んで目を閉じた。

ピンッ——

その同じ時刻、佐藤グループのとあるビル、とあるオフィスで。

ソファに腰掛け、...

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