第136章

心臓の辺りが一瞬で痺れ、その痺れは指先にまで広がった。

佐藤和也は思わず苦しげに呻き、無意識に手のひらを自分の胸に押し当てた。

高橋桜は彼の苦しげな呻き声を聞いて彼の方を見ると、彼がハンドルに寄りかかり、顔色が悪いことに気づいた。

二人が知り合って何年も経つが、佐藤和也の体はずっと丈夫で、ほとんど病気をしたことがなかった。

こんなに顔色の悪い彼を見るのは初めてだったので、高橋桜も驚いて、手を伸ばして彼を支えた。

「どうしたの?具合悪いの?」

鈍い痛みは消えるどころか、高橋桜が手を添えた時にさらに強まり、心の空虚感も広がっていった。

しかし、高橋桜の白い小さな顔に自分を心配する表...

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