第14章

高橋桜は夜明けから日暮れまで待った。

佐藤和也からの返事は一向に来なかった。

彼女の携帯は静かなまま、まるで外界と断絶されたかのようだった。

以前仕事をしていた頃、高橋桜は自分の携帯に連絡が来ないことを願っていた。少しでも休める時間が増えるからだ。

でも今は……

夕暮れが近づいてきた頃、やっと高橋桜の携帯がチリンと音を立て、メッセージが届いた。

彼女は驚いて急いで携帯を手に取ったが、内容を見た途端、目が曇った。

メッセージは山本双葉からだった。

「どう考えた?彼に正直に話した?」

高橋桜は黙って長い間携帯を見つめていたが、突然小さく笑った。

その笑い声には自嘲が満ちていた...

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