第18章

彼のような視線を向けられて、高橋桜は少し戸惑っていた。

しかも、昼に外出した時、彼は川崎美咲と一緒に会社に来たのではなかったか?なぜ川崎美咲がオフィスにいないのだろう?

考え込んでいると、川崎拓海が彼女に何か質問し、高橋桜は我に返って、慌てて対応した。

業務報告が終わると、川崎拓海は帰ろうとした。

佐藤和也は冷たくうなずいた。

川崎拓海が離れると、佐藤和也の視線は遠慮なく高橋桜に注がれた。さっきまでは彼女が川崎拓海の後ろに立っていて、少しは隠れることができていたのに。

今はもう逃げ場がまったくなかった。

そのとき、オフィスのドア付近まで歩いていた川崎拓海が突然振り返り、高橋桜を...

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